キミの彼女をやめたあの夏
私が初めてステージに立つ彼に会いに行った2016年のある夏の日。
中島健人くんのソロコンサート "#Honey♡Butterfly"
それまでこれといってジャニーズに興味がなかった私。行ったことがあるのは数年前の嵐のコンサートただ1回だけ。自分の意思で会いに行ったアイドルは健人くんが初めてだった。このコンサートが初めてだった。
私はあの日TDCで、ステージから1番遠い場所からキミを見つめていた。初めて見るその景色はとてもキラキラしていて私にはまぶしくて。キミが創り出すとっても甘い世界は私にはあまりにも幸せすぎて。ふわふわしながら、私はキミの蜂蜜のような甘い甘い魔法にかけられていた。
普通なら考えられない?
でも、キミは私を"ハニー"と、そう呼んでくれる。
別に現実を見て見ぬふりしてキミに逃げたいわけじゃない。現実を忘れるためにキミに会いにきたわけじゃない。
だけど"キミ対ファンたち"であるその空間を、一瞬で"キミと私"に変えてくれるその魔法が、そのたった一言が、私は大好きだった。そのキミの優しさが、私は大好きだったんだ。
その前年のソロコンサート"Love Ken TV”ではファンのことを"彼女"と呼んでいたことも知っていた。そうか、キミは"自分 対 群衆"ではなく、"貴女だけの自分と自分だけの貴女"、一対一であるような関係を築いてくれるんだ。彼氏であるキミと、彼女である私。簡単そうに聞こえるけれどきっとそんなことはない。キミの底知れぬ優しさと、今にもこぼれてしまいそうなほどのたくさんのファンへの大切な大切な想いが、こんなにも甘い魔法をかけてくれるんだ。
2017年 夏。
3回目のキミのソロコンサート"Mission:K"。
私たちはケンティーガールズになっていた。
3017年からケンティーガールズを守りに来てくれるキミ。男らしくて強いキミ。
うんうん、そういう設定なんだよね。そういう世界の中で私はケンティーガールとして生きている。
でもその後も"ケンティーガールズ"が変わることはなかった。ずっとずっと、キミのファンはケンティーガールズ。
心のどこかで、またキミがハニーと呼んでくれるのをもしかしたら私は待っていたのかもしれない。キミ対群衆から、一対一の関係になれるのを待っていたのかもしれない。
アイドル相手にバカみたい?
でもそれくらい私はキミが好きで、キミがくれるその優しさが好きで、キミがそうやって与えてくれる愛が何よりも大好きで、大切にしたかったんだ。
Myojo2018年3月号 後輩髙橋海人くんとの対談。
そこには、ファンとの関係を見直したと話すキミがいた。ファンのそれぞれにも愛すべき人がいて、進むべき道があることに気づいたキミ。送りきれない愛情を受け止めると話すキミ。私たちはもう彼女でもハニーでもない。ケンティーガールズ。
正直、とても寂しかった。どれだけ待っても、もうキミがハニーと呼んでくれる日はこないのだから。ハニーからケンティーガールズへ。距離が、ぐっと遠くなったように感じた。
でも頭ではちゃんとわかっているつもりでいる。別にキミが、私たちを突き放すために言ったわけじゃないってこと。真面目すぎるキミが、更に更に一生懸命考えて、大切に大切にしてくれた答えがケンティーガールズであること。他の人は見ないで、おれだけを見て。本当はそう言いたいかもしれないMr.Jealousyなキミ。そんなキミが、自分以外を、まずは身近な人を大切にしてってそう言ってくれることの意味。しかもその先で待っていてくれるというキミ。
なんて優しい人なんだろう
なんて懐が深い人なんだろう
なんてファン想いな人なんだろう
なんて愛に溢れた人なんだろう
どうしてそんなにキミは優しいの?どうしてそんなに温かいの?どうしてそこまで愛をくれるの?名前も顔もわからない、私たちに。
ハニーじゃなくなってしまったことが全く寂しくないっていったら嘘になる。寂しいよ、とっても。
だけどそんなの打ち消してしまうほどの大きな愛をキミがくれるから。更なる大きな愛を、形を変えてもキミがくれるから。
私はその想いをしっかりと受け止めたい。
キミからの愛をしっかりと受け止めたい。
だから私は、少しやかましいこの想いをあの夏に置いていきたい。正直、まだできるかはわからないけれど。キミが新しい居場所をくれたあの夏に置いていきたいんだ。
それには、もしかしたらもう少しだけ時間がかかってしまうかもしれない。
だからそれまでは、キミのハニーでいさせてほしい。
キミと私。一人と一人。キミがくれた、大切な関係。
たくさんの愛をありがとう。大好きです。